

【宝塚記念=蛟竜雲雨】
月曜昼から降り始めた雨が、火曜未明から激しくなり、水曜にかけてかなりの降水量があった阪神競馬場ですが、土曜は終日、日曜も昼過ぎまで雨が降り続く予報ですから、良馬場での開催は見込めないでしょう。
……というか、 稍重以上の1点に全ベット。
コース大改修の07年以降の阪神で、 良馬場以外 で開催された7回の優勝馬を並べてみます(※[ ] 内は馬場状態)。
07年[稍]アドマイヤムーン
08年[重]エイシンデピュティ
10年[稍]ナカヤマフェスタ
16年[稍]マリアライト
17年[稍]サトノクラウン
18年[稍]ミッキーロケット
20年[稍]クロノジェネシス
実はこの7頭はすべて、 牡馬が出走可能な国内GⅠを優勝していません。
良馬場で開催された10回中7回の優勝馬が、牡馬が出走可能な国内GⅠの優勝馬でしたから、馬場が渋ると実績馬がその能力を発揮出来ていないのが顕著になります。
続いて、前記の7頭の 特記事項 を見てみましょう。
07年[稍]アドマイヤムーン:京都記念1着[GⅡ・芝2200m・稍]
08年[重]エイシンデピュティ:金鯱賞1着[GⅡ・芝2000m・稍]
10年[稍]ナカヤマフェスタ:東京優駿4着[GⅠ・芝2400m・不]
16年[稍]マリアライト:エリザベス女王杯1着[牝馬限定GⅠ・芝2200m・稍]
17年[稍]サトノクラウン:京都記念1着[GⅡ・芝2200m・重]
18年[稍]ミッキーロケット:日経新春杯1着[GⅡ・芝2400m・稍]
20年[稍]クロノジェネシス:京都記念1着[GⅡ・芝2200m・重]
7頭中6頭が、良馬場以外の芝2000~2400mのGⅡか牝馬限定GⅠを優勝していました。
唯一優勝していなかったナカヤマフェスタも不良の東京優駿4着ですから、同等の戦績を残していると言ってもいいでしょう。
実績馬が能力を発揮出来ない馬場ですから、高いレベルでの渋馬場・距離適性を見せていた馬が台頭するのは当然かもしれません。
まとめます。
・牡馬が出走可能な国内GⅠを優勝していない
・良馬場以外の芝2000~2400mのGⅡか牝馬限定GⅠを優勝、もしくは牡馬が出走可能な国内GⅠで4着以内の実績
以上の2項目に該当するのは、 ④プラダリア、⑤チャックネイト、⑨ヨーホーレイク、⑫メイショウタバル の4頭。
中穴~激穴の4頭ですから、もちろん単勝は買いますが、大改修後優勝のない7歳馬、12年以降優勝のない6歳馬の3頭は押さえに回し、単勝を篤く熱く厚く買いたい ◎は4歳馬の⑫メイショウタバル 。
1着⑫からの馬単も買っておきます。
相手を探します。
1番人気が予想される ①べラジオオペラ ですが、グレード制が導入された1984年以降、阪神開催の宝塚記念における1番人気の成績は[13.10.3.11]で、勝率35.1%・複勝率70.3%でした。
この37頭のうち、以下の3項目にすべて該当した馬をすべて挙げます。
[1]その年、1・2戦
[2]その年、0・1勝
[3]前走はGⅠで、1着、もしくは0.5秒差以内の負け
◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◥
88年2着ニッポーテイオー
90年2着オグリキャップ
93年1着メジロマックイーン
97年1着マーベラスサンデー
01年2着テイエムオペラオー
02年1着ダンツフレーム
08年2着メイショウサムソン
09年3着ディープスカイ
11年2着ブエナビスタ
13年3着ジェンティルドンナ
14年1着ゴールドシップ
16年2着ドゥラメンテ
19年2着キセキ
21年1着クロノジェネシス
23年1着イクイノックス
◣___________◢
15頭いて成績は[6.7.2.0]、勝率40.0%・複勝率100%でした。
今年、GⅠ大阪杯1戦1勝の ①べラジオオペラはこれに該当で○ 。
⑫とのワイドを篤く熱く厚く、配当的欲求は①⑫軸2頭の3連複で。
▶▶▶<結論>◀◀◀
[単勝]
④⑤⑨⑫4点
[馬単1着流し]
1着⑫→2着全通り16点
[ワイド]
①-⑫
[3連複軸2頭流し]
軸①⑫→相手全通り15点
【蛟竜雲雨】(こうりょううんう)
[意味]能力を発揮する機会のなかった英雄や豪傑が、機会を得て能力を発揮すること。
「蛟竜」は水中に棲むとされる古代中国の想像上の動物で、水中に棲む蛟竜は雲や雨を得られれば、それに乗って天に昇り龍になるといわれることから。
まさに雨の宝塚記念に相応しい四字熟語ですね。
想像上の動物と言えば代表的なのは、聖人が出現する前兆として現れるとされた 麒麟 ですが、 麒が雄 、 麟が雌 だそうです。
これは同じく想像上の動物である、 鳳が雄 、 凰が雌 の 鳳凰 と同じ構図ですね。
ちなみに、単勝万馬券必至の④プラダリアに騎乗する高杉騎手はGⅠ初騎乗で、名前は吏 麒 。
大万馬券確定の前兆として、掲示板の一番上に現れてほしいものです。
文章:綱本将也 イラスト:魚乃目三太
【綱本将也】
漫画原作者。1973年東京都出身。2002年『U-31』連載デビュー。原案をつとめる『GIANT KILLING』は第34回講談社漫画賞一般部門を受賞。また現在ヤングチャンピオンにて『Mr.CB』、別冊ヤングチャンピオンにて『ATLANTA 1996』を連載中。
【魚乃目三太】
漫画家。1976年生まれ。奈良県出身。ほっこりな作風で食漫画をメインに多くの作品を執筆。 現在、ヤングチャンピオン烈にて『戦争めし』を連載中。他に『ちらん-特攻兵の幸福食堂』や 『しあわせゴハン』『宮沢賢治の食卓』など代表作は多数。

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