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ヤンチャンWebさんの作品:第23走:2025年5月25日開催『オークス』

【優駿牝馬(オークス)=黄髪番番】

桜花賞馬エンブロイダリーの二冠達成成るか否か——。

その答えを導き出す、あまりにも簡単で、拍子抜けするほど単純な、しかもたった一文だけで済んでしまうDATAを発見してしまいました。

1990年以降の 桜花賞馬をデビュー戦の勝敗 で分け、優駿牝馬での成績を比較します(※<負け>の=の右側はデビュー戦と2戦目の着順)。

 

<勝ち>
90年2着アグネスフローラ
91年2着シスタートウショウ
92年7着ニシノフラワー
94年12着オグリローマン
95年3着ワンダーパヒューム
96年2着ファイトガリバー
97年11着キョウエイマーチ
98年3着ファレノプシス
99年3着プリモディーネ
00年2着チアズグレイス
01年3着テイエムオーシャン
03年1着スティルインラブ
04年4着ダンスインザムード
11年4着マルセリーナ
13年4着アユサン
14年2着ハープスター
15年10着レッツゴードンキ
17年13着レーヌミノル
20年1着デアリングタクト
21年8着ソダシ
23年1着リバティアイランド
24年2着ステレンボッシュ

22頭いて[3.6.4.9]で、勝ち切れない馬が多く、二冠達成率はわずか13.6%でした。

 

<負け>
93年1着ベガ=2着→1着

06年6着キストゥヘヴン=2着→2着
08年3着レジネッタ=10着→1着
09年1着ブエナビスタ=3着→1着
10年1着アパパネ=3着→1着
12年1着ジェンティルドンナ=2着→1着
18年1着アーモンドアイ=2着→1着
22年1着スターズオンアース=2着→1着

8頭いて[6.0.0.2]ですが、 太字=デビュー戦で2・3着→2戦目1着だった6頭はすべて二冠を達成していました。

新馬戦から、あえて仕上げ切らなかった分、距離が大幅に延長される優駿牝馬での体力面、気性面の余裕に繋がるのかもしれませんね。

来年以降のために、もう一度、一文にまとめておきます。

 

【90年以降、デビュー戦は2・3着に負け、2戦目で勝ち上がった桜花賞馬は、優駿牝馬に6頭出走して全勝】

 

⑨エンブロイダリー は新馬戦2着→2戦目1着ですから、 二冠達成の可能性は極めて高い と言えるでしょう。


相手を探します。

90年以降の二冠馬誕生の年の2着馬を、複数頭の戦歴に見られる特記事項を併記して並べてみます (※10年は1着同着)。

93年ユキノビジン:桜花賞2着
03年チューニー:クイーンカップ1着
09年レッドディザイア:桜花賞2着
10年サンテミリオン:前走フローラステークス1着
12年ヴィルシーナ:桜花賞2着/クイーンカップ1着
18年リリーノーブル:阪神ジュベナイルフィリーズ2着
20年ウインマリリン:前走フローラステークス1着
22年スタニングローズ:前走フラワーカップ1着
23年ハーパー:クイーンカップ1着

GⅠ2着、もしくは前走重賞1着、もしくはクイーンカップ1着、いずれかの実績を持っていました。

今年該当する、桜花賞2着の ①アルマヴェローチェ 、阪神ジュベナイルフィリーズ2着の ⑥ビップデイジー 、前走フローラステークス1着の ⑮カムニャック 、前走フラワーカップ1着の ⑦レーゼドラマ の4頭を2着に配置する馬単4点を買います。


同様に、90年以降の二冠馬誕生の年の3着馬を、複数頭の戦歴に見られる特記事項を併記して並べてみます。

93年マックスジョリー: 桜花賞3着
03年シンコールビー:前走フローラステークス1着
09年ジェルミナル:
桜花賞3着
10年アグネスワルツ:
前走フローラステークス2着
12年アイスフォーリス:
前走フローラステークス2着
18年ラッキーライラック:桜花賞2着/
チューリップ賞1番人気
20年ウインマイティー:
前走忘れな草賞1着
22年ナミュール:
チューリップ賞1番人気
23年ドゥーラ:
チューリップ賞1番人気

チューリップ賞1番人気という条件が加わった他に、1着→2着だったり、2着→3着だったり、重賞→オープンだったり、2着の条件から一枚落ちになっています。

今年該当する、桜花賞3着の ⑤リンクスティップ 、フラワーカップ2着の ③パラディレーヌ 、忘れな草賞1着の ⑭サヴォンリンナ の3頭に、2着候補の4頭を加えた7頭を3着に配置する3連単24点で、ささやかな夢を。


最後に追加DATAを。

20年1着、21年2着、22年1着、23年1・3着、24年1着と、血統的に猛威を振るっているのが キングカメハメハの孫 (=父の父、母の父がキングカメハメハ)。

名前が挙がった8頭のうち、キングカメハメハの孫は ⑥ビップデイジー のみ。
チューリップ賞の負け、桜花賞の大敗で人気低下は免れませんから、⑥-⑨のワイドは美味しく押さえておきたいところです。

 

▶▶▶<結論>◀◀◀

[単勝]

[馬単1着流し]
1着⑨→2着①⑥⑦⑮4点

[3連単フォーメーション]
1着⑨→2着①⑥⑦⑮→3着①③⑤⑥⑦⑭⑮24点

[ワイド]
⑥-⑨


【黄髪番番】(こうはつはは)

[意味]白髪が年を重ねて黄色味を帯びた老人のこと。転じて、年齢を重ねて知識や経験を深めた老人のたとえ。
「ばんばん」ではなく、「はは」と読む「番番」は、白髪のこと。

 

うら若き3歳牝馬と白髪の老人とは、なかなか結び付きづらいですが、エンブロイダリーの血統表を見れば、その理由を納得していただけると思います。

ひいおばあちゃんが ビワハイジ で、おばあちゃんが アーデルハイト 、そしておかあさんが ロッテンマイヤー とくればですよ、もう頭に浮かぶのは名作アニメ『 アルプスの少女ハイジ 』しかありません。

アーデルハイト (Adelheid)はハイジの本名で、ハイジは末尾の-heide部分からの愛称。
ロッテンマイヤー は、ハイジの友人クララの家の執事である中年女性。
そして、
エンブロイダリー は刺繍で、ロッテンマイヤーさんが劇中いつも刺繍をしていたことからきているのでしょう。

ちなみに、本馬の兄は ゼーゼマン で、これはクララの家名。
弟は
バートラガッツ で、ハイジのおばさんデーテが働き、クララのおばあさまが滞在した温泉地名。

こういう馬名の付け方、いいですね。

ここまでくればお分かりでしょうが、誰もが知る有名な主題歌『おしえて』で、ハイジから質問攻めにあっている物知りなはずの アルムおんじ ことハイジのおじいさんが登場していません。
アルムおんじの本名は、原作・アニメともに言及はなく、名前を付けようにも付けられないようなので、代わりにせめて四字熟語の形を借りて登場させた次第です。

DATAが簡単だったので、この部分を長めにする余裕が生じました。

 

文章:綱本将也 イラスト:魚乃目三太

【綱本将也】

漫画原作者。1973年東京都出身。2002年『U-31』連載デビュー。原案をつとめる『GIANT KILLING』は第34回講談社漫画賞一般部門を受賞。また現在ヤングチャンピオンにて『Mr.CB』、別冊ヤングチャンピオンにて『ATLANTA 1996』を連載中。

 

【魚乃目三太】

漫画家。1976年生まれ。奈良県出身。ほっこりな作風で食漫画をメインに多くの作品を執筆。 現在、ヤングチャンピオン烈にて『戦争めし』を連載中。他に『ちらん-特攻兵の幸福食堂』や 『しあわせゴハン』『宮沢賢治の食卓』など代表作は多数。

 

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5日前