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ONE PIECE連載開始
私は漫画家になって以来、嫉妬心から自分より売れている漫画が読めなくなったのだが、これは実質「漫画が読めなくなった」に等しく、本当にここ10年近くほとんど漫画を読んでこなかった。
しかし不惑を越えて「お前は本当にあの巨人が何だったのかわからないまま死んでいいのか」と死期が訴えてきたので、序盤だけ読んだままだった進撃の巨人を最後まで見たり、今大人気の呪術廻戦を読んだりしたのだが、そのせいで推しキャラの死を目の当たりにしてしまったので、自分如きの死が言うことなど無視するべきだったと後悔している。
だが、これだけ人気な呪術廻戦も、噂によれば年内で終わるらしい。呪術だけではなく鬼滅の刃なんかも人気絶頂の中コンパクトに終了しており、人気がある限り続けるというジャンプ文化が終焉したことを物語っている。
しかし、そんな中「１０７巻」を数え、まだしばらく終わりそうにないのが「ONE PEICE」である。ONE PIECEが始まったのは平成９年のことであり、連載は27年にも及ぶ。その人気は漫画ファンを越えて広がったため、当初「私意外とオタクなんですよ、ONE PIECEとか読んでるし」というのは、にわかの常套句とされていたが、今ではONE PIECEを読み続け、全巻揃えているというのは相当気合の入った漫画読みになりつつある。
ただ、ONE PIECEがここまで続いているのは、海から次々新しい強敵が湧いて出るという引き延ばしにあっているからではなく、まだ作者に描きたいことがあり、続けられるだけの人気も維持しているからなので、改めてすごい作品だ。
だが、残念なことに私はONE PEICEをほとんど読んだことがない。ONE PIECEが始まった頃から売れている漫画を敵視していたのかというと、さすがの私も高校生の時点で尾田栄一郎氏を妬んではいなかった。
しかし、逆に高校生であったことが災いしており、高校入学時に無事友達作りに失敗したため、当時教室を飛び交っていたであろうONE PIECEやジャンプの貸し借りの輪に入ることができず、履修機会を永遠に逸したのだ。
そのせいか、ONE PIECEに限らず、私はこの時期流行したものを「服役していたのか」というレベルで知らなかったりする。
つまりONE PIECEの黄金時代が始まったと同時に私の暗黒時代が幕を開けたということだ。今後もONE PIECEを読んだことはなくても、ONE PIECEが始まった時期だけは正確に答えられそうである。
📢【わんぴーすれんさいかいし】『週刊少年ジャンプ』で連載中の尾田栄一郎による少年漫画作品。平成９年７月より連載開始。週刊少年ジャンプの作品の中では『こち亀』につぐ長期連載となっている。
PROFILE
カレー沢薫
どうぶつ社会風刺政治ギャグ漫画『国家の猫ムラヤマ』①②巻、『国家の猫ムラヤマ 解散！』、
健康エッセイ『部屋から出ないで100年生きる健康法』、
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弊社エレガンスイブ編集部運営ウェブサイトSouffle（スーフル）にて『 ほがらかSNSライフ 』連載中！
X（旧Twitter）@rosia29
ヤンチャン担当X（旧Twitter）@murayamasoul
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