

【スプリンターズステークス=超軼絶塵】
このレースの的中を目指すために注目すべきは、まずGⅠのスプリンターズステークスと高松宮記念は当然として、ステップレースであり唯一の芝1200mのGⅡセントウルステークス、そして、当レースと同コース・同距離で行われるオーシャンステークスの4レースでしょう。
まずは、過去のスプリンターズステークスの分析から。
前年の優勝馬の取捨に、非常にシンプルなDATAがあります。
GⅠ昇格の1990年以降、前年の優勝馬は18頭出走して[3.3.4.8] (※左から[1着.2着.3着.4着以下])と好成績を残していますが、さらにこの18頭を「前走3着以内か否か」で分けて、成績を比較してみましょう(※前が前走の着順、後ろがスプリンターズステークスの着順)。
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<3着以内>
94年 2着 サクラバクシンオー=1着
98年 1着 タイキシャトル=3着
00年 2着 ブラックホーク=3着
01年 2着 ダイタクヤマト=3着
03年 2着 ビリーヴ=2着
04年 2着 デュランダル=2着
13年 2着 ロードカナロア=1着
17年 3着 レッドファルクス=1着
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<4着以下>
93年 13着 ニシノフラワー=3着
96年 15着 ヒシアケボノ=4着
97年 4着 フラワーパーク=4着
99年 13着 マイネルラヴ=4着
02年 14着 トロットスター=9着
05年 4着 カルストンライトオ=10着
06年 9着 サイレントウィットネス=4着
10年 8着 ローレルゲレイロ=14着
12年 4着 カレンチャン=2着
18年 9着 レッドファルクス=10着
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<3着以内>が8頭出走し[3.2.3.0]で複勝率100%、<4着以下>は10頭出走し[0.1.1.8]でした。
前走で馬券になった前年の優勝馬は、今年も買いの一手というDATAです。
昨年の優勝馬⑥ママコチャは、前走セントウルステークス2着ですから、もちろん買いですね。
続いては、今年の高松宮記念。
その年の高松宮記念で1・2番人気に支持されていた牝馬は11頭出走し、成績は[2.6.1.2]で複勝率は81.8%とハイアベレージ。
さらに「高松宮記念で4着以内」なら[1.5.1.0]で複勝率は100%に達します。
スプリンターズステークスは夏競馬の延長線上に位置するレースですから、やはり牝馬が強いのでしょう。
人気・実力兼備の牝馬なら、なおさらです。
今年の高松宮記念2番人気の⑤ナムラクレアは、高松宮記念2着ですから、こちらも当然買わなければなりませんね。
そして、セントウルステークスとオーシャンステークスを一気にいきます。
2010年以降のその年のセントウルステークス優勝馬は、13頭出走し[2.3.1.7]と好成績を残しています。
さらに「その年にセントウルステークス以外の重賞も優勝し、スプリンターズステークスで2番人気以下」なら、[1.3.1.0]で複勝率100%に到達。
能力と好調さの裏付けがありながら、人気を背負わず気楽な立場で臨めるセントウルステークス優勝馬は、積極的に買うべきという結果が出ています。
続いて、オーシャンステークスですが、2010年以降のその年の優勝馬は8頭出走し[1.4.0.3]と、こちらも好成績を残しています。
さらに、「優勝以降の出走間隔の最大が100日以上」だった馬は、[1.3.0.0]で複勝率100%。
しっかりと間隔を空けて臨む舞台適性の高い馬も、積極的に買うべきでしょう。
以上の両レースを勝ったのが②トウシンマカオですが、複勝率100%のDATAにともに該当しているので、買わずにはいられません。
あえて順番をつけるなら、DATAのサンプル数の多さと条件の少ないシンプルさで ⑥ママコチャが◎ 、2レースのDATAに導かれた ②トウシンマカオが○ 、となれば ⑤ナムラクレアが▲ 。
強力なDATAが後押しする◎○▲3頭に牙城に食い込めるのは、1番人気必至の△ ⑫サトノレーヴ 、昨年2着で今年の高松宮記念優勝の△ ⑦マッドクール 、その高松宮記念で1番人気に推された△ ⑬ルガル 、同3着で鞍上強化の△ ⑭ビクターザウィナー の4頭あたりでしょうか。
穴なら、1200m以下で底を見せていない☆ ⑯ウイングレイテスト 、よっぽど手が合うのか国分恭介騎手騎乗なら3・4・7・16番人気で1・3・3・3着の☆ ⑧モズメイメイ 、一度の大敗で見限るのは薄情過ぎる☆ ⑩ピューロマジック の3頭を推奨しておきます。
▶▶▶<結論>◀◀◀
[3連複]
②-⑤-⑥
[3連複フォーメーション]
1頭目②⑤⑥→2頭目②⑤⑥→3頭目⑫3点
1頭目②⑤⑥→2頭目②⑤⑥→3頭目⑦⑬⑭9点
1頭目②⑤⑥→2頭目②⑤⑥→3頭目⑧⑩⑯9点
▶▶▶【超軼絶塵】(ちょういつぜつじん)◀◀◀
他のものよりも非常に優れていることのたとえ。
または、馬などが非常に速く走る様子。
これほどスプリンターズステークスに相応しい四字熟語はないでしょう。
「超軼」は、他よりもずば抜けて優れていること。
この「軼」という漢字は寡聞にして知りませんでしたが、意味は①すぎる。はなれる。それる、②すぐれる。まさる、③人に知られない、④うせる。ちる、⑤もれる。あふれる。
同じ「いつ」と読む「逸」とは意味も似ていて、熟語においての互換性もあるようです。
「絶塵」は、塵がひとつも立たないほど、非常に速い速度で走ること。
わたくしも、はずれ馬券という産業廃棄物が出ないような、非常に当たる持続可能な予想をしたいものです。
文章:綱本将也 イラスト:魚乃目三太
【綱本将也】
漫画原作者。1973年東京都出身。2002年『U-31』連載デビュー。原案をつとめる『GIANT KILLING』は第34回講談社漫画賞一般部門を受賞。また現在ヤングチャンピオンにて『Mr.CB』を連載中。
【魚乃目三太】
漫画家。1976年生まれ。奈良県出身。ほっこりな作風で食漫画をメインに多くの作品を執筆。 現在、ヤングチャンピオン烈にて『戦争めし』を連載中。他に『ちらん-特攻兵の幸福食堂』や 『しあわせゴハン』『宮沢賢治の食卓』など代表作は多数。
