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ヤンチャンWebさんの作品:第5走:2024年10月20日開催『菊花賞』

【菊花賞=三千世界】

菊花賞は常々、「格か、勢いか」の対立軸で語られます が、2010年以降の全出走馬251頭を皐月賞と東京優駿(※以降、ダービー)の出走の有無で、あり=<格>グループ、なし=<勢>いグループに分け、それぞれの優勝条件を探ります。

<格>グループは124頭出走して、成績は[8.9.6.101](※左から[1着.2着.3着.4着以下])。
さらに、この124頭を3項目で「○」「×」に分けます。

<格1>
○:皐月賞、ダービーともに出走=[8.4.6.49]
×:一方のみ出走=[0.5.0.52]
<格2>
○:皐月賞、ダービーのいずれかで3着以内=[8.4.2.20]
×:いずれも4着以下=[0.5.4.81]
<格3>
○:皐月賞、ダービー、菊花賞いずれかのGⅡのトライアルレースを優勝=[8.3.2.28]
×:優勝経験なし=[0.6.4.73]

 

すべて○に該当した馬は[8.2.0.7]、ひとつでも×に該当してしまった馬は[0.7.6.94]で、1頭も優勝出来ていません。

今年、すべて○に該当したのは、⑨コスモキュランダただ1頭。

 

<勢>いグループは、<格>とほぼ同数の127頭出走して、成績は[6.5.8.108]。
このグループの優勝馬はすべて、以下の2項目の「いずれか」に該当した馬でした。

<勢1>
○:トライアルレースの神戸新聞杯で2・3着=[4.2.0.9]
<勢2>
○:ルメール騎乗=[2.2.1.0]

 

いずれかに該当した馬は[6.4.1.9]、該当しなかった馬は[0.1.7.99]でした。
今年は該当馬がいません。

したがって、唯一優勝条件を満たす<格>グループの、⑨コスモキュランダが◎。

今年は、<格>に軍配が上がりそうです。

 

実は、菊花賞にはもうひとつの対立軸があります。
それは、「社台か、非社台か」。

 

社台グループ(=社台、ノーザン、追分、白老ファームほか)の生産馬と、非社台グループの牧場の生産馬に、大きく2グループに分けて、成績を比較してみましょう。

10~17年の8回では、社台グループが3勝2着5回3着4回、非社台は5勝2着3回3着4回と、優勝数では非社台が上回り、3着以内24頭内の占有率は50.0%と50.0%でまったくの互角となっていました。

しかし、18年以降は様相が一変。

18~23年の6回では、社台グループが4勝2着6回3着6回、非社台は2勝2着0回3着0回と、優勝数で社台グループが逆転し、3着以内18頭の占有率は88.9%対11.1%と社台グループが圧倒するようになりました。

◎⑨コスモキュランダは非社台の生産馬なので、相手には社台グループの馬を狙うべきでしょう。


出走表を見回したところ、社台グループの生産馬は……なんと11頭もいるんですよ。
……さすがに全部買うわけにもいかなので、絞ります。

 

18年以降に出走した社台グループの生産馬全58頭を、その前走で3グループに分けます。

<社1>
重賞1~3着=[3.5.4.11]
<社2>
2200mの2・3勝クラス1着=[1.1.2.2]
<社3>
<社1・2>以外=[0.0.0.29]

 

<社1・2>に該当するのは、 ④ダノンデサイル、⑪ショウナンラプンタ、⑬アーバンシック、⑯ヘデントール、⑰アドマイヤテラ の5頭。

◎⑨コスモキュランダから、この5頭に流します。

 

 

▶▶▶<結論>◀◀◀

[単勝]

[馬単1着流し]
1着⑨→相手④⑪⑬⑯⑰5点

[3連複軸1頭流し]
軸⑨→相手④⑪⑬⑯⑰10点

 

【三千世界】(さんぜんせかい)

3000mを駆け抜けた馬と騎手だけに見える特別な世界。

……ではなく、 この世界のすべて。全宇宙。

◎⑨コスモキュランダの「コスモ」が、宇宙を意味するラテン語接頭辞ですからね。

仏教の言葉で、須弥山を中心に四つの大陸があり、その周りに九山八海があるのが「一つの世界」で、その「一つの世界」が千集まったものが「小千世界」、「小千世界」×千=「中千世界」、「中千世界」×千=「大千世界」。

「小千世界」+「中千世界」+「大千世界」=「三千大千世界」で、略して【三千世界】。

とにかく凄い数、途轍もない大きさの表現ですから、いちいち計算するのも無粋ですが、それでも計算してみると、世界 十億百万千個分 と出ました。

そして、【三千世界】は一尊の仏が、教え導くことが出来る範囲とされているそうです。

【三千世界】なんて、大きなことは決して申しませんが、せめてこのコラムの読者の皆様だけでも、馬券的中へと教え導きたいものです。

 

文章:綱本将也 イラスト:魚乃目三太

 

【綱本将也】

漫画原作者。1973年東京都出身。2002年『U-31』連載デビュー。原案をつとめる『GIANT KILLING』は第34回講談社漫画賞一般部門を受賞。また現在ヤングチャンピオンにて『Mr.CB』を連載中。

 

【魚乃目三太】

漫画家。1976年生まれ。奈良県出身。ほっこりな作風で食漫画をメインに多くの作品を執筆。 現在、ヤングチャンピオン烈にて『戦争めし』を連載中。他に『ちらん-特攻兵の幸福食堂』や 『しあわせゴハン』『宮沢賢治の食卓』など代表作は多数。

 

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3時間前