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ヤンチャンWebさんの作品:第48回 妖怪ウォッチ

妖怪ウォッチ

 これを書いている約10日後クリスマスがやってくる。我が家のように初老しかいない家庭にはあまり関係ないが、子どもにとってはプレゼントを貰え、ケーキ、そして謎の飲料「シャンメリー」が飲めるスペシャルデイである。

 逆にそれがなかったら知らないオッサンの誕生日として無視されているだろう。子どもの中にはそろそろサンタの正体に気づいたり、「家庭によってサンタの予算が違う」という、ある意味正体よりヤバい事実に気づきはじめる子どももいるかもしれない。 

 サンタの羽振りが違うのはもちろん正体が親だからだが、予算以前にプレゼントが子供のリクエスト制でない家は、何をあげるかで悩むらしい。これをはずすと「これじゃない」と子どもが泣き出したり、「俺たちがせっかく選んで買ってやったのになんだ」と、突然サンタの正体が親だと自供をはじめる、今年一番の嫌な事件が起こってしまう。

 今子供に人気のコンテンツは何なのか「超振動ペッティンガー」など、こっちが聞いたこともないものが流行っているに違いないと中年は身構えるのだが、当の子どもに聞いてみると「ワンピース」や「ドラゴンボール」などの答えが返ってきて、日本の長寿コンテンツの恐ろしさを思い知ることになる。

 長寿と言えば「ポケモン」もそうだ。ポケモンと言えば睡眠記録アプリ「ポケモンスリープ」が話題になったが、これはかつて子どもだったポケモン世代が中年すら超え、睡眠の質や寝つきを気にする「初老」に突入したことを意味している。もう少ししたら葬式、仏壇、墓石業界とのコラボもはじまるだろう。

 それだけ長い間覇権をとり続けたジャンルということなのだが、ほんの一瞬だけポケモンの牙城を崩したものがいた。

 それが「妖怪ウォッチ」である。その名の通りポケモンの代わりに様々な妖怪キャラが出てくる子供向けコンテンツであり、一時期ポケモン人気を脅かし、ついに世代交代かとさえ言われていた。

 

 だがその後失速し、現在ではよほどのサブカルクソガキでない限り、ポケモンより妖怪ウォッチを所望する子どもはいない。だが、瞬間的とはいえ、当時の人気は凄まじく、クリスマスに妖怪ウォッチの玩具を欲しがる子どもがあまりにも多く、サンタはその確保に苦労していた。

 私がかつていた会社でも「何か知らんけど孫が欲しがっている」と言って、ワケもわからず倍値の妖怪グッズ商品を若に頼んでネット購入している老がいた。

 どれだけ「転売ヤーから買うな」と言っても、転売品を買うのはこういう「転売」という言葉すら知らない層なので無意味、ということを妖怪ウォッチが教えてくれたのだ。

 

📢 【ようかいうぉっち】 平成25年、レベルファイブから発売されたニンテンドー3DS専用ソフト、及びその派生作品の総称。ソフト発売後、アニメ放送により注目を浴び、さらに玩具発売で小学生を中心に大ブームが起きた。平成26年のヒット商品ランキングや流行語、トレンド大賞などに選出されるなど大流行した。

PROFILE

カレー沢薫
どうぶつ社会風刺政治ギャグ漫画『国家の猫ムラヤマ』①②巻、『国家の猫ムラヤマ 解散!』、
健康エッセイ『部屋から出ないで100年生きる健康法』、
SNS心得エッセイ『一億総SNS時代の戦略』(すべて弊社刊)大好評発売中!
弊社エレガンスイブ編集部運営ウェブサイトSouffle(スーフル)にて『
ほがらかSNSライフ 』連載中!

X(旧Twitter)@rosia29
ヤンチャン担当X(旧Twitter)@murayamasoul

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2時間前